新渡戸文化高等学校

close

ニュース

教員ブログ

伝統と新しさ

 最近急に気温が上がり日差しも強くなってきました。そろそろ街でもネットでも今年の新作浴衣が話題が出るようになりました。特にここ最近の女子の浴衣は、「レトロ」、「古典」、「大正ロマン」、「はんなり」といったキーワードの柄や色が人気だそうです。伝統的な柄をモダンにアレンジしたものもよく見られます。男子の浴衣もずいぶんとおしゃれになり色柄の種類も増えてきました。

 着物の柄(文様)にはひとつひとつに意味が込められていると言われます。例えば、東京オリンピック・パラリンピックのシンボルマークにもある「市松」は、途切れずに続いていくことから「繁栄」を、三角が並ぶ「鱗」は蛇が脱皮していくことから「厄除け」を、そして正六角形がつながる「麻の葉」は、成長が早く虫がつきにくい植物であることから、「子どもの無病息災」や「魔除け」を意味するそうです。動植物にもそれぞれいわれがあり、「菊」や「蝶」は「長寿」を意味するおめでたい柄です。日本人は昔から身に付ける人のことを考え、願いを込めて「きもの」を作ってきたのだと思うと、とても感動を覚えます。

 先日、日本橋で行われていた「東京キモノショー」に足を運んでみたところ、伝統と新しさの両方を楽しむことができました。そして、作り手が単に昔からの技術を受け継ぐだけでなく、時代に合わせてアレンジしていること、売り手も着る人がいかに快適に着られるかを考えていること、など着物に係る多くの人の工夫や努力が感じられました。

十二単から

こんな男子きものまで展示されていました!

 

 生徒たちも学期末の日本文化学習で「和装」を学びます。まずは自分で浴衣が着られるようになり、気軽に「きもの」のおしゃれを楽しんでほしいと思います。そして一度興味を持ったらさらに深く知りたいという気持ちになるでしょう。それが伝統文化の継承につながっていくと思います。(MS)