新渡戸文化高等学校

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物の見方

先月の22日(土)・23日(日)に、岩手県花巻市で開かれた「第2回 INAZOサミット」に、発表・報告者として招かれて行って来ました。

岩手県は言うまでもなく、本校の初代校長・新渡戸稲造の出身地です(稲造は盛岡出身ですが、花巻は新渡戸家が代々暮らしたゆかりの土地)。
ところで、今年は明治維新150年ということで、大河ドラマでも「西郷どん」が放映されていたり、各地でイベントや企画展が開かれています。しかし、戊辰戦争で新政府に敗れた東北の人々にとって、明治維新150年は決して祝うべきイベントではありません。新渡戸稲造も、新政府に敗れた盛岡藩出身ですので、立身出世は望めないため、学問で身を立てるべく東京に出ます。また、当初は養子に入り、稲造に大きな影響を与え、『武士道』を献じた叔父の太田時敏も、敗戦の責任を取って切腹する、親しい家老の介錯をしたくないため、盛岡を出奔しています。

大正時代に始めて東北出身、爵位を持たない首相となった原敬も「戊辰戦争は 政見の異同のみ 誰か朝廷に弓をひく者あらんや」と日記に書いています。

歴史は、勝者の歴史とも言われます。見方を変えると全く違った側面に気が付く、知ることがあります。先日、ノーベル賞を受賞した本庶先生も「教科書を信じるな」というのが口癖だそうですが、教科書に書かれた歴史も勝者の歴史です。皆さんも、物事を違った側面からも見てみる、考えてみるという習慣をつけてみてはいかがでしょうか。

生誕地にある新渡戸稲造像

盛岡城址にある原敬の碑文

片岡