学校概要 学校方針 Policy

校長メッセージ

ニュータイプ通信制学校の躍進、文科省のGIGAスクール構想、そして現在のCOVID−19対応。 この半年ほどの間に学校教育の考え方を根本から問い直さねばならない様々な動きが起きています。 学校という場所でこそ可能な学びとは何か?子どもたちにとって必要な力とは何か?そしてこれからの教師の役割とは何か?それらの問いに答えられなければ、現在の学校というシステムはその歴史的使命を終えたことを認めたことになると言っても過言ではありません。

2027年に創立100周年を迎える本学園では、ここ数年来大きな改革を進めてきました。 自分の子ども時代と変わらないことに安心する大人たちのノスタルジーでもなく、リアルな社会から遠く離れたユートピアでもない、Society5.0時代の未来社会を生きていく子どもたちを育成する学校へと変わろうとしています。 この大きなトランスフォームを行う上で大切にしていることは、「自律型学習者の育成」「実社会とのつながり」、そして「笑顔(スマイル)」です。 これまでもこれからも教育の目的は自ら学ぶ目標を見つけ、自ら学び続ける主体の創造です。 そしてそこで身につけた知識やスキルを手段として実社会の課題解決へと向かっていくこと。 これらを生徒自身が笑顔で自走できるように我々は全力でサポートします。

学園では教員を「教育デザイナー」と名付けています。 デザインは見栄えを良くする装飾(デコレーション)ではありません。 「こうなりたいと意図することがデザインであり、その姿を仮想・構想することがデザインの役割である。潜在する可能性を可視化し、具体的な未来の道筋を照らしていくこと、あるいは多くの人々と共有できるヴィジョンを明快に描き出すことこそ、デザインの本質なのである。」(「日本のデザイン」原研哉)我々はこの意味において「デザイナー」を称するものです。 そしてこうした環境の中で育つ生徒たち自身が自分と社会の幸せをデザインできる人「Happiness Creator」へと成長することを目指します。

「どの子も我が子」「親心」という本学園の歴史を守り続けた現教職員に加え、志を同じくする多くの教職員が全国から集まりました。新しい学校づくりがすでに始まっています。

新渡戸文化中学校・高等学校校長 小倉良之

教育活動の最上位目標

自分と社会の幸せを創り出すHappiness Creatorの育成

本校の初代校長である新渡戸稲造先生は『自分が生まれてきたときより死に至るまで、周囲の人が少しなりともよくなれば、それで生まれた甲斐があるというものだ。』という言葉を残しています。

この言葉から、自分だけでなく社会の幸せも生み出すHappiness Creator(しあわせ創造者)という最上位目標、”育てたい生徒像”が生まれました。

Happiness Creatorに成長するために必要な力は本校独自のカリキュラムで養います。不安定な未来を生き抜くための基礎力を養う教科学習(Core Learning)は、AI等を用いて個別最適化されており、それぞれの120%を目指します。教科を横断した広い視野で物事を捉える力を養う教科横断授業(Cross Curriculum)は、「好きなこと」や「自分の関心」から始まる探究学習として、毎週丸一日を使って実施しています。

そういった学びがさらに発展した学びがチャレンジ設定学習(Challenge Based Learning)で、生徒たちはそれぞれの学びや問いから始まる社会課題に挑戦します。

これらの頭文字をとった新渡戸の3Cカリキュラムは、Happiness Creatorを目指した生涯にわたって学び続ける「自律型学習者」を育てる独特なカリキュラムとなっています。

自ら学ぶ「自律型学習者」を育てる

3つの新渡戸コンピテンシーと4つのハピネスマインド

コンピテンシーとは、繰り返し経験を積み重ねることで身につけることができる力です。新渡戸文化中学校・高等学校では「自らコントロールする」「他者とつながる」「新しい価値を創造する」という3つのコンピテンシーを掲げています。さらに、6つの具体的な力を示し、全ての授業の目的がこのコンピテンシーを育てることになります。

 さらには、全ての生徒が取り残されることなく学べる「心理的安全性」を高めるために、4つのハピネスマインドを大切にしています。生徒たちが自分らしく、今の自分を肯定し、できないことを可能性と感じながら、「ありがとう」を生み出すために「やってみよう」と学び出す。これが全ての教育活動でチャレンジを生み出す土台となります。

新渡戸文化中学校・高等学校では、普段の学校生活の中で、自然にこれらのコンピテンシーやハピネスマインドを意識することができます。これらの力を身につけた生徒は、変化の激しい社会で、力強く生きていくことができます。