7月も終わりに差し掛かり、真夏の日差しがいよいよ本領発揮というとき、哲学ラボは、高校生の元メンバーも混えながら、山梨県の都留文科大学とのコラボ企画を主とした1泊2日のツアーに参加しました!
1日目:
列車の車窓から見える景色が次第に変わっていく様子にワクワクしながら大学に向かうと、「暑かったでしょ?」と大学の先生と大学生が暖かく迎え入れてくれました。出会い頭にみえた緊張感も、自分の興味関心について話すうちに、和らいでいきました。
その後、哲学ラボの紹介に始まり、講義体験①では、アート作品に対する問いをグループワークで積み重ねることで、その作品の解釈を深めるワークショップに参加しました。そこでは、大学生に混ざりながら、作品にじっと向き合ったり、自分の考えをしっかりと言語化して発表したりする姿勢が見えました。
お昼には、卒業生が経営するカフェで、地産の具材を使ったカレーと、都留で獲れたジビエのサンドを食べながら、学生の活気と自然にあふれた都留の地域性に考えを巡らす生徒もいました。
大学周辺を散策して、アカデミックな環境にいる実感が深まりながら迎えた夜には、大学生の主催の哲学対話企画に参加しました。星空の下で焚き火を囲みながら、大学生も教員も生徒も肩書きを脱いで、みんなでしっとりと言葉を紡ぐような対話になり、その場に居合わせた人にしか分からないような価値が生まれていた、そんな時間になりました。きっと生徒も、宿に帰る途中で、「『こだわり』って何だろう?」と、その哲学対話での問いを引きずっていたのかもしれません。
2日目:
「昨日は夜遅かったから、朝は眠いだろうな…」という思いとは裏腹に、宿のロビーにはうずうずしている生徒が数名いました。予定の隙間で大学裏の山に向かい、自然の小道を抜けた展望台では、都留市が一望を堪能しました。
一汗かいて、すっきりした頭と心で参加した講義体験②では、大学4年生の卒論プロポーザルの発表を聞きました。論文として探究を進める大学生の姿勢に圧倒されながらも、自分の探究と比べたり、大学生に質問したりして、今後の探究の手がかりを探しました。そうした大学生との関わりをランチ会にも持ち込み、少し砕けたかたちでも話すことで、その探究の手がかりを自分ごととして見出す様子もありました。
そして講義体験③では、まさしく自分たちのラボと同じ専門領域の研究室のゼミ活動に参加しました。そこでは、普段自分たちがどのようなかたちで哲学対話をしているか、「その哲学対話」に用いられる手法や態度がどのような歴史的文脈にあるのかを学んだうえで、大学生と一緒に哲学対話を実践しました。
最後には、ツアー全体を自分と他者と2つの視点で振り返り、「楽しかった〜!」で終わらせず、普段のラボ活動に活かすための気づきに向かう活動でツアーを締めくくりました。
生徒にとってこの2日間は、アカデミックな刺激に溢れていたと思います。ツアーで出会った人、体験した時間、実感した学びを、普段のラボ活動の延長と捉えることで、その刺激が、普段のラボ活動での学びに還元されたり、自分の探究活動の軸を確かなものにしたりすることにつながっていくことを願っています。
また、おかげさまで今回のツアーをきっかけに、都留文科大学(国際教育学科)と哲学ラボの継続的な協働・連携を始めることができました。こうしたご縁を今後のより深い学びの機会へと発展させていきたいと考えておりますので、今後ともご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。