6月30日(水)にクロスカリキュラムで「旅する学校」の一環としてフィールドワークを実施しました。本校のクロスカリキュラムのキーワードの一つは「旅」。「体験に勝る学びなし」を実現するために、生徒たちは積極的に外に出ていきました。一方で、学校に残った生徒たちも、目的意識を持って、自分の「好き」を探究していました。
以下に今回のフィールドワークを実施した各コースやプロジェクトの報告やその様子を掲載しましたので、少し長くなりますが、是非ご覧ください。学校では出来ない学びやクロスカリキュラムだからこそ出来る学びに取り組んでいる生徒の写真を見ているだけでワクワクしてきます♪

<美術コース(校内組)>

美術コース校内組は、自分たちが校内で取り組みたい活動をそれぞれ取り組みました。美術室でデッサンや粘土彫刻をしたり、教室や被服室でアニメーション製作やぬいぐるみ製作、タブレットを使用して絵を描いたりしていました。特に、アニメーション製作は、男子がチームを組んで、セル画の製作などを行う本格的なもので、教室の作業場所は、さながらアニメーション製作のプロダクションのような雰囲気でした。完成が楽しみです。

〈美術コース 八景島シーパラダイス〉

「水の変幻」をテーマに水族館で水を観察しました。実際にデッサンするのは美術コースの授業内になりますが、今日はさまざまな水の動きや波紋、光の反射、また海の生物の躍動感を感じながら画像を集めました。教室を出てのフィールドワークは久しぶりなので、眼を輝かせて観察する様子が印象的でした。

<クッキングコース 卒業生が経営するレストランの訪問>

高1の3名が飲食店の現場を知りたいということで、本学園の中高・短大卒業生がオーナーシェフを務めるレストラン”L’atelier du gout(ラトリエ・デュ・グー)”を訪問しました。美味しいランチをいただきながら、調理方法・盛り付けから食器・カトラリー・ナプキンの選び方に至るまで興味津々。オーナーシェフの芳根綾子さんがお忙しい中たくさんの質問に答えてくれました。コロナ禍でも諦めることなく様々な工夫を重ね、お客様に「おなかいっぱいのしあわせ」を届けているプロの姿からたくさんの学びが得られたようです。クッキングコース生へのアドバイスとして、「美味しいと思って終わるだけではなく、自分でその食材を調べたり作ってみたりすることが大切ですね。探究心を忘れないでほしいです。」という言葉をいただきました。新渡戸で大切にしていることが、やはり社会でも求められていることなのだと実感できたようです。

<クッキングコース 校内活動組>

校内では、さまざまな目的に向かい調理に励みました。これからの活動のため試作を重ねたいというスイーツ班や料理班がありました。スイーツ班のは、華やかさをテーマにレシピやデコレーションを考え、綺麗に作ることを意識しました。(あじさいクリームソーダ、カップケーキ、マカロン)料理班は、ボリュームのあるご飯を作り、見た目のインパクトを重視しました。(天津飯、ボンゴレ、たらこパスタ、エビチリ、ハンバーグ)ある班は、市販の大豆ミートをもとに、高校生の力で大豆ミートのレシピを考案しました。中には、将来の夢のため、一人でチョココロネとクリームパンを黙々と作りました。また、調理でなく、布で食品サンプルを作る生徒の姿もありました。(マカロンのキーホルダー)これから「食」をテーマにさまざまな活動が生まれたらと思います。

<音楽コース 三味線体験>

日本の伝統音楽を学びたい!楽器の体験をしてみたい!ということから、高1 4名、高2 4名で三味線を体験しに行きました。
どこで体験ができるのかを調べるところから始まり、今回体験をさせてくださった松原さんに自分たちで電話でアポを取ったりと、当日までに様々な試行錯誤がありました。
体験中は本物に触れた感動で、終始目を輝かせていました。三味線の奏法だけではなく、三味線にまつわる豆知識などを教えてくださり、とても貴重な時間になりました。また、仲間の演奏を見学している時には、「良い音だね!」「こうするともっと良くできるよ!」などお互いに声を掛け合い、助け合う姿が印象的でした。

<音楽コース 体験授業>

将来の夢の実現に向けて、音楽院の体験授業に行きました。この日の授業は声楽です。授業は在学生と一緒に受けるため緊張していましたが、先生のわかりやすく、ユニークなお話で緊張がほぐれ、引き込まれていきました。発声練習や学生と一緒に歌を歌ったり、学生一人一人の発表を聴けたりし、音楽学校での生活に夢が膨らんでいました。
次回のフィールドワークでも将来に向けての活動をしたいと意気込んでいました。

<特進コース 桐山製作所工場見学>

化学実験が好きな生徒が集まり、ガラス実験器具のトップブランドである桐山製作所の見学に行ってきました。
化学の基礎研究や実証実験にはガラス器具および装置類が不可欠ですが、規格化された製品に適切なカラス器具が存在しないことがあります。その研究者に応えるためにオーダーメイドの製品を作る技術力があることを知る機会になりました。
また桐山製作所内には研究施設が併設され、製作したガラス器具や装置類を用いて実験・検証を行い、得られたデータからさらなる的確な製品作りに活用していることを知り、様々な分野の基礎研究を支えている現場だと理解した生徒たちは感動していました。
人材育成や製品作りで大切にしていること、0から1を作り出す発想力はどこから生まれるのかなど、桐山社長にインタビューをする時間もいただき、丁寧でわかりやすい説明を熱心にメモする生徒という一幕もみられました。授業の内容が桐山製作所につながり、その先には社会へ広がっていること実感できる貴重な時間でした。

写真は生徒たちがガラス細工(ペン先部分)にチャレンジしたガラスペンです。

<「スポーツ×道具×SDGs」>

スポーツコースの2名は今回「スポーツ×道具×SDGs」をテーマに、野球グローブ修理・リメイク専門店「Re-Birth」に出掛けました。
自分の手に馴染んだグローブをずっと使い続けるという野球と道具の少し特異な部分や、使ったら捨てる以外の選択肢があるということが学びました。

<JAVA>

ペットや動物に関心を持つ進学探究コースの生徒7人は,渋谷にあるNPO法人「動物実験の廃止を求める会」(JAVA)を事務所を訪問しました。生徒たちは,ホームページや課題について調べ,事前に質問事項を担当者にメールで連絡し,当日の取材に臨みました。その甲斐もあって,当日は,質問事項に対してとても丁寧に説明下さらり,生徒たちも更に深掘りの質問をし,とても有意義な取材となりました。私たちが身近に使っている商品と動物実験がつながっていることやその問題点,そして人間の命も動物の命の同等に考えることの大切さなどについいて学びました。

<ビーチクリーン活動>

海洋ゴミに関心を持つ特進コースと美術コースの希望生徒たちが、逗子市でビーチクリーンと海洋ゴミからつくるアート制作活動に行ってきました。
逗子市でビチクリーン活動を実施しているMARINE BOX100の代表の方から、近年の気候変動に伴い、海水面が上昇し、砂浜が削られていることや、海洋ゴミの近年の変化なども伺うことができました。海洋ゴミだけでなく、気候変動の影響がもう具体的に出ている事実に、生徒たちは自分たちの今後の活動について、強い思いを抱いた様子でした。また、海洋ゴミからのアート活動を実施しているアーティストや、団体の大人の方から、社会課題とアートによる表現の価値や、解決に向けて思考停止するのではなく、考え続けることや、考えて何らかの表現(発信)をすることの大切さを学びました。今回参加した生徒たちは、集めたゴミの多くを、学校に持ち帰り、アート制作に入ります。

<企業との連携プロジェクト>

不二製油と連携がありました。
これは、特進の生徒が大豆ミートと気候変動に興味を持ち、そこで不二製油にいきつき、連絡を取り始めたのがきっかけです。最初は4人の活動でしたが、昨日は、特進の他の生徒、スポーツ、美術コースの有志生徒にも飛び火して、13名の生徒が参加。中には、去年の1学期に「クロスの授業、意味分からん」と言っていた生徒も、参加しています。成長、変容を感じます。オカムラホームの共有プレゼンも、昨日の5人は、何回も打ち合わせしていました。昨日は朝練もしていました。プレゼンは、日々、成長が見られる変化でした。