地域の訪問看護を行っている看護師の上野さんにきていただきました。まめな(施設)のリビングに入っていらした時のオーラからすごかったです。まずは、お話をうかがいますが、私が感心したのは、生徒さんたちから次々と質問や意見が飛び出すことでした。下調べをしたり、自分の知りたいことをまとめたり、といった作業が事前に行われていたのだろうなぁ、と。上野さんは全ての質問に的確に答えて下さいました。

一通り、話し終えると、もう1時間が過ぎています!上野さんはお休みの日にもかかわらず、事情を聞いて「それならぜひ、高校生と話したい」と来てくださったのですが、さらにこれから「退院したばかりのお爺ちゃんのところに、薬を整理した箱を持って、飲み方を家族の方も含めて説明しに行く」とのこと!薬の箱の深さ、1回分のまとめ方、メモの文言・貼る位置・文字の大きさなどなど、実物を見せながら詳しく説明してくださり、生徒たちも手伝います。「なるほど。キレイにまとめましたね。でも、せっかく書いた文字がこれだと見えにくくないかな?」など、「相手の立場にたったらどうなるか」という視点から語ってくれます。頷きながら、どんどん引き込まれる生徒。その熱心さに上野さんも動かされたのか「よかったら、一緒に行ってみる?」とびっくりオファー!「個人情報は大丈夫なんですか?」と問う生徒に対し「何を一番大切に私が行動するか、見てくれることが一番だから」と看護の際の接し方をこの目で見れる機会を生徒たちは得ました。

実際の薬を渡す現場を体験し、その後は地元の人達とどのように触れ合うか、教えていただけました。「こんにちは、は『あんま見かけん人やけど、誰?』という意味に受け取って、その先に行けるようにね」という鋭いアドバイス。これが見事に効いたのか、生徒たちは庭や畑、縁側に「お入り~!」と招かれ、キレイなアジサイの花をもらったり、蜜柑の花の説明を受けたり。高3のA君は対応が上手で、地元の皆さんから笑いを取ったり。その間、上野さんの視線はすごいスピードで動き、一人一人のお年寄りの手の動きや座り方、どこを擦っているか、口や目の動き、を観察していました。A君もそれに気づき、翌日のプレゼンでは、そのことにも触れていました。