今回のスタディツアー(旅する学校)では,初めての試みとなる公益社団法人モリウミアス主催のインターンシップに特進コース2年生の生徒が1人参加しました。11月8日から5泊6日,モリウミアスのスタッフと協働しながら,宮城県雄勝町の森と海そして人々とリアルに触れ合います。1日目は教員も同行しましたが,2日目の午後からは完全に一人での活動となります。まず最初に訪れたのは,東日本大震災の悲劇に一つである震災遺構大川小学校を見学。津波の凄まじい爪痕に絶句し,尊い若い命が奪われた場所に心からの慰霊を捧げました。
その後,現地に到着し,スタッフの方から,バイオジオフィルターを完備し,限りなく廃棄物や排水を出さない循環型の施設になっているモリウミアスの説明に感動しました。
説明後,さっそくスタッフの方と一緒に作業開始です。鶏小屋から産みたての卵を8個とり,鶏の餌やり,そして,モリウミアスのアイドル的な存在になっている豚のラバーちゃんにも餌をやりました。それが終わって,戻ってきたところで事件が起こりました。なんと回収したばかりの卵8個が,跡形もなくなくなっていたのです。ポリバケツに入れて,鶏小屋の前において,ラバーちゃんの餌をやりにいった一瞬の間でした。狸かカラスの仕業ではないかということでした。本人は反省しきりでした。
モリウミアスの暖房は,薪ストーブです。まず滞在中に必要な薪を斧で割る作業をおこないました。斧を使っての薪割は初めてで,はじめはなかなかうまくいきませんでしたが,徐々にコツを掴んで,最初にしては上出来とスタッフの方から褒められていました。
滞在中の食事もスタッフと協働で作ります。道の駅で仕入れたまだ生きているホタテ貝を捌きました。きれいに洗ったホタテの貝に,お刺身にしたホタテ貝を盛り付けて完成です。夕食では,各自が作った料理について,コメントをして,美味しく頂きました。モリウミアスの振り返りでは、生まれて初めてしたこと、ワクワクしたことを中心に話します。彼は生まれてはじめて生きていたホタテ貝を捌いたこと、そしてそれを食したことの複雑な気持ちを語ってくれました。
2日目からは,一人での活動です。不安と期待を抱えつつ1日目の活動を終えました。
生徒にとって、ほとんどのことが初めての体験と学びとなります。しかしこの学びと体験を終えた後の生徒の成長が今から楽しみです。