新渡戸文化中学高等学校では、週に1度、クロスカリキュラムと呼ばれる探究の時間があります。この日は、通常の授業をせず、生徒が選んだテーマに基づいて作られたラボと呼ばれるグループで活動しています。前期は生徒の「好き」から始まる「好きなこと探究」を行なっています。

<参考記事>
教えない授業がある学校 「好き」に向き合う新渡戸文化学園
https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20210422a.html

今回は「歴史探究」のラボから、なんと「英語」に火がついた例です。最初は、「江戸時代末期の開国から、明治時代の近代教育開始までの間、日本人はどのようにして英語を習得して会話をしたのか?」という問いからはじまりました。ちょっとした英語定型文(タンキョ=Thank you)や英単語(メリケン=America)のように、音やローマ字読みから入っているのではないかということから発展して、日本語っぽく聞こえる英会話を作ってみようということになりました。空耳英会話文を作るうえで、ネックになったのが英単語の語彙数と文章構成でした。日本語っぽく聞こえる単語や熟語の数が不足していました。そのため、コアの英語学習で「単語数」と「単語を使って英文を作る力」をもっと学びたいという循環が生まれました。また、「生物探究」のラボでは、カメレオンの体色変化についての探究をする中で、英語論文が登場。翻訳ソフトも使いながら、頑張って読み進めています。「好き」を極めると一見関係ないと思われる学力にもつながっていきます。