こんにちは、NITOBE FUTURE PARTNER(NFP)*1の神薗です。

最近の気になるニュースや出来事に関して、SDGs観点から新渡戸文化学園の先生にインタビューする企画です。小学生や中学生の皆さんにも楽しんでもらえるようなお話をしてもらいます。

今回のテーマは「総裁選」。お話を伺うのは高校で現代社会を教えている片岡鉄平先生です!

神薗:片岡先生、こんにちは。先生は今、学校でどんなお仕事をされていますか?

片岡:こんにちは、今は中学校3年生の社会、高校3年生の世界史や現代社会を授業で教えていますよ。課外活動は弓道部と弓道プロジェクト(同好会)の顧問もやっています。入試や広報を通じて、新渡戸文化中学校や高校の良さを知ってもらえるようなブランディングデザイナーというお仕事もしています。

神薗:新渡戸文化学園との出会いは、どのような感じだったのでしょうか?

片岡:私は、大学院を出てすぐに新渡戸文化学園(当時は東京文化学園)に就職しました。大学では教育学科社会科を勉強していましたが、大学院で歴史学を専攻しました。ちょうどその当時の社会科主任の先生が進路指導主任として大学にいらしたときにお話を伺って、そのご縁で新渡戸文化学園に来ました。

神薗:そうだったのですね!ご縁ですね。さて、ここから本題に入っていきたいのですが、今自民党の「総裁選」がとてもメディアなどで盛り上がっているじゃないですか。一政党の「総裁選」がここまで盛り上がるのはなぜでしょうか?

片岡:そうですね、一言でいうと、事実上の次期総理大臣が決まるから、とても注目されているんですよね。
自民党「総裁選」というのは、自民党の代表を決める自民党員や党友といった人たちの選挙なんですが、自民党が現在与党(政権を担当している政党)なので、その中でトップになった人が、実質的には総理大臣になるという仕組みなんですよね。

神薗:もう少し詳しく教えてもらえますか?

片岡:今の日本の総理大臣を決める仕組みは、学校で例えると、生徒全員が投票して、一人の生徒会長を決めるという方法ではなく、まずはクラスの代表を決めて、その代表たちが集まって、その中から生徒会長を選ぶという方法になっています。
クラスの代表が国会議員で、生徒会長が総理大臣にあたります
それぞれのクラスの代表の人たちにも、いろんな意見ややりたいことがありますよね。やりたいことの実行性を上げていくために、同じような意見の人たち同士のグループを作る、それがいわゆる政党となります。
いろんなグループがあるんだけども、一番人数の多いグループがたくさん票を持っているから、結果的には一番人数の多いグループのリーダーが生徒会長(総理大臣)に選ばれやすくなります。
今は、自民党や自民党と一緒に与党として活動している公明党が、過半数を占めているので、総理大臣選挙をすると自民党の総裁が総理大臣になるということになるんだね。


神薗:なるほどー。SDGs*2の観点でみると、5番のジェンダー平等の実現が今回、総裁選で実現されているのがすごいなーと思ったんですが、どうでしょうか?

片岡:私も、女性が選択肢にいるということはとても大きいことだと思っています。今、日本は世界の中でも男女格差が大きいと言われていて、世界経済フォーラム(WEF)によって発表された「ジェンダーギャップ指数2021」で、政治の分野は156か国中147か国となっています。国会議員も女性がかなり少ない中で、女性が2名・男性が2名出て来ているということは、歴史的な総裁選になっていると思っています。
でも、政策の議論を聞いていると、女性的視点が強い政策を2人とも出しているかというとそうではないように感じます。
性別で見るというよりは、本来は政策や思想・信条が近いかどうか?という視点で見ていくことが大事だと思います。いずれにせよ、今回の総裁選は、混戦ということもあって、政策の議論が活発にされていることで、私たち国民も様々な政策に関して、「自分はどう思うかな?」という考えるきっかけになっているので、いいですよね。

神薗:今回のテーマに関連して、学校で取り組んでいることなどありますか?

岡:18歳から選挙権があるので、新渡戸文化学園の高校3年生の中で選挙権を持つ人たちもいます。新渡戸文化学園らしい主権者教育ができないかと思って、今様々なチャレンジをしています。
初代校長
の新渡戸稲造先生の文献などを調べると、大正デモクラシーの時期に「平民道」を発表しています。それを題材に、民主主義をどう考えるのか、じゃあ自分たちはどういった行動をすればいいのだろう。ということを授業で考え、グループディスカッションや発表を行いました。
今はコロナ禍でストップしているけれども、中野区の選挙管理委員会から投票箱などを借りて、模擬選挙をやっていたこともあります。
民主主義を成立させていくには、国民一人一人が自分でちゃんと考えないといけません。新渡戸稲造先生の考えは、今の時代にも当てはまることがとても多くあります。18歳になって、政治に直接的に参加していく立場になったときに、どう考えて、どう行動するのか。とても大事なことだと思っています。

神薗:最後に、新渡戸文化学園にチャレンジしたい!と思っている小学生・中学生へメッセージをお願いします。

片岡:新渡戸文化学園は、強い気持ちがあれば色んなやりたいことをできる学校です。選抜試験はどうしてもあるのですが、皆さんが「新渡戸文化学園に入りたい!」という強い気持ちでチャレンジしてくれる、その頑張りを応援したいと思っています。そして、そんな強い気持ちを持っている皆さんに来てほしいなと思いますし、一緒に学校生活を送れたら嬉しいと思っています。

神薗:本日はお忙しい中、ありがとうございました!

*注1「NITOBE FUTURE PARTNER」とは?
https://nitobebunka.ac.jp/comprehensive/post-1786/
様々な分野の第一線で活躍する社会人が、副業人材として学校の教育活動に参画している。

*注2「SDGs」とは?
https://nitobebunka.ac.jp/about/sdgs/
持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。