大体全貌が見えつつある、まさにそのタイミングでした。

「先生、そういえば一本光が弱いやつ、これじゃないですか?」

おおー、よくぞ40本以上の中から・・・
試しのライトで電池が弱まっているものが、1本、紛れている可能性があったのでした。班の人を集めて現状を伝えます。
しかし、重石と固定した竹の3本セット、これをまた解いてやり直す時間は・・・
同じことを考えている班のメンバー、表情が曇ります。
「でも、今気づけてよかった。水張ったあとでは調整できなかった。
大変だけど電池を交換しよう。ギリギリまでできることを考えよう」

決めたら行動が早い・・・
「底を切ろう」「輪ゴムだけあがっちゃった、一旦傾けて」
「電池は交換できたけど一回出して糸がバランス崩して光が傾いちゃう」
「竹の中に腕が2本入ればできるのに!」「痛いー」
節を抜いた竹の筒は内側がギザギザなので腕を入れるたびに引っ掛かるのです。
でも、諦めなかったチーム、なんとか形にしました。

最後は脱力し、自分達が設置した池越しにショーのリハ風景をひととき見守ります。
当初の予定では11時半までの作業、気づいたら12時を回っていました。
想定外につぐ想定外でしたが、皆さんが考え行動してなんとか乗り切りました。後は本番を待つばかりです。

「灯りがついたときにどう見えるかな」
「水が入ったら無事いい感じになるのかな」

帰り道、その後ろ姿は紅葉の中で美しく、いつもより二回りくらいは大きく見えました。