8月25日〜28日で錬成会に参加しに高知県へ行ってきました。高知高校をはじめとした西日本の強豪校はもちろん、関東圏の強豪道場も参加してくださいました。新渡戸文化剣道部員全員で遠征へ行ったのは今回が初めてのことです。部員全員でバスに乗り約12時間かけて高知県を目指しました。錬成会は場所を移動して26日・27日と二日間行われました。参加校も少し変わりながら充実した試合を可能な限りたくさんやりました!

普段はできないような選手とたくさん竹刀を交え、剣道家としての質の高さをたくさん目の当たりにしました。試合での力強さ、スピードの速さ、二の太刀三の太刀への展開の速さ、引き技の崩し方・決め方など一級品の洗練された技の数々を体験しました。また剣道外では率先した挨拶、返事の大きさ、気の遣い方など、真摯に剣道へ向き合う姿を学ばせていただきました。新渡戸の選手も普段から真剣に剣道へ向き合っていたと思いますが、全国区で活躍する選手のレベルの高さを感じたと思います。全国制覇を本気で目指している選手に触れて、今の自分たちよりも強い剣道に対する「覚悟」感じたのではないでしょうか。

また、合宿ではチームで共同生活を送ります。普段は各々の家で過ごす時間も一緒にいる特別な時間です。食事も布団の準備や片付けも、時間管理もゴミの分別や処理も自分たちで行います。この合宿を通して意識したのは「与え合うチーム」になることです。本能のままに自分が有利になるようなことばかりをしていると「奪い合うチーム」になり成長できません。チームのため、先輩・後輩・先生のため、自分にできることをしっかり行い貢献する心地よさを体験しました。

今回の合宿で感じてほしいことは「覚悟」です。人生には無数の選択肢があります。人生の幅を広げるために選択肢を増やすことも大切ですが、充実した人生を送るためには、数多くの選択肢から絞り込み集中して極める作業が必要です。現代ではやろうと思えばほとんどのことに挑戦可能です。しかし、本物になるためには一つのことに集中して取り組み、他人には真似できないものを創り上げる必要があります。何かを選択するということは、それ以外の選択肢を諦めることにもなります。そこに「覚悟」がなければ他の選択肢に目移りして、結局全てが中途半端に終わります。
「覚悟」を持って一つのことに取り組めば、自分自身に向き合うことになります。自分の意思の弱さやずる賢さ、実力のなさや時間のなさなど不安になる要素はいっぱいあります。ほとんどの人は選択肢を捨てることに抵抗があるでしょう。しかし、嫌な自分に向き合って何がしたいのか、どうなりたいのかを考え抜いた人は迷いません。そして不安を抜けた先には今の自分に必要なことが見えて、それに一心不乱に取り組むことができます。すると充実した時間が訪れます。それを経験した人はその環境に感謝し、周囲の人のありがたさ感じ「与える人」へと変化していきます。それこそが成長ではないでしょうか。勝つことが大切なのではなく「覚悟」を持って挑戦することが素晴らしいのです。新渡戸文化剣道部がその「覚悟」を持つために選手を勇気づけられるチームであることを目指したいと思っています。

夏休みが終わると二学期が始まります。この夏に経験したことをしっかり記録し、東京へ帰ってからも一回一回の稽古を大切にして、成長し続けましょう!